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宮崎県で産婦人科医をしているゴローはアイドルグループ「B小町」の星野アイの大ファンでした。

アイの活動休止の知らせにショックを受けていると、なんとゴローの勤務している病院へアイが受診にやってきます。

診察の結果、アイの妊娠が発覚し、ゴローは医師として全力を尽くすこと誓うのでした。

そんな矢先、ゴローに星野アイの担当医かと尋ねてくる人がいました。

自分の名前を名乗らない男を不審に思って問い詰めると、男は逃走します。

追いかけるも、不意を突かれてゴローは殺されてしまうのでした。

死んだと思いきや、ゴローは星野アイが産んだ赤ん坊へと転生していました。

星野アイの子供として生活していましたが、アイが子供を産んだことを知って逆上したストーカーにアイは殺されてしまいます。

ゴローはアイを殺した犯人を見つけ出し、殺してやると決意するのでした。

第1巻は、ゴローが転生したアイの子供、アクアの無双シーンが痛快なものになっています。

アクアには前世のゴローだった頃の記憶が残っていました。

結果見た目は子供なのに中身は大人という規格外の子供になるのです。

それによって周囲の人達に様々な影響を与えていきます。

ミヤコが暴走しそうになると、アクアは神の使いを名乗って止めたり。

演技をすれば子供らしからぬ名演技でスタッフ達を驚かせたりと大活躍する様子が見どころとなっています。

アイの子供として転生したアクアとルビーの双子兄妹。

2人は高校生に成長し、アクアはアイを殺した犯人が誰なのか探すため芸能界に入り活動を始めます。

一方ルビーもまた芸能界に入りアイドルグループB小町のメンバーとして日々精力的に活動するのでした。

そんなある日、かつて天才子役と謳われていた有馬かながアクア達の高校に転入してきます。

2巻の一番の見どころは、芸能界の裏側が色々と垣間見れる点です。

アクアとルビーそれぞれの活動風景が、よりリアルに描かれていくので見ていてドキドキできます。

犯人への復讐を誓うアクアの気持ちが特に面白いです。

キャラクターも増えて人間関係が複雑に絡み合うところも、見どころの一つです。

【推しの子】の3巻では、鏑木Ｐからアイについての情報を聞き出すために、アクアが恋愛リアリティショーに出演します。

その番組で出会った女優のあかねは、役作りにプロファイリングの手法を取り入れており、アイの思考パターンや行動を完璧にトレースできるという稀有な才能の持ち主です。

復讐という自身の目的を達成するためにあかねの力が必要だと考えたアクアは、番組内で彼女とカップルになります。

3巻の見どころは、ネットでバッシングされ精神的に追い詰められたあかねをアクアが救うくだりです。

また、あかねとの距離が近付いていくアクアを見て、かながヤキモチをやく様子も見どころの一つです。

【推しの子】の4巻は、恋愛リアリティ番組の収録後から始まります。

番組を通して結ばれたアクアとあかねはビジネスカップルになり、あかねは今後の物語を左右するキーパーソンになっていきます。

一方、もうひとりの共演者であるMEMちょはアクアからの誘いで、新生B小町に加入しました。

新生B小町は奮闘しながらも、ジャパンアイドルフェスへの出演が決まり、センター争奪戦の末、有馬かながセンターに抜擢されます。

コメディ要素やメンバーのわいわいとした様子が楽しめる一方、アイの過去に触れる描写があるのも見ものです。

【推しの子】の5巻では、アクアがかなやあかねと共に『東京ブレイド』という漫画が原作の2.5次元舞台に出演します。

見どころは、原作に忠実とは言えない脚本に対して漫画家が怒りを見せ、大きな騒動に発展していくところです。

演技のためかなのアドバイスに従って過去の記憶を思い返していたアクアが、微笑みを浮かべた次の瞬間アイの最期を思い出して倒れてしまうという展開もあり、見逃せません。

また、姫川大輝という今後物語の鍵になると思しき新キャラクターにも注目です。

目の前でアイが殺された。

そのショックでPTSD・心的外傷後ストレス障害をアクアは抱えていました。

舞台稽古中にも倒れてしまったアクアの様子から、あかねははっきりとは確証が持てないもののアクアの秘密を察してしまうのでした。

そんなあかねは、有馬かなへのあこがれから役者の道を選んだのです。

なのに今やかなは、すっかり荒んでしまっています。

6巻の見どころは、あかねがアクアを支える姿です。

ビジネスカップルですが、ちゃんとアクアのことを分かってそのうえで支えようとしている姿はそれ以上に心通っているような気がします。

そんな彼女ですから、かなの子役時代からのトラウマ克服にも力を貸してくれそうです。

一方で、メルトがどんどん成長していく姿も見どころです。

こちらはなんとなく芸能界入りしていても、その後の努力がすごく良いキャラクターをしています。

人気漫画の2.5次元舞台である『東京ブレイド』の本番が始まります。

天才子役だった有馬かなは、幼い頃にとある因縁のあるあかねと、演技対決をすることに。

互いの演技を繰り広げながら、感情をぶつけ合います。

同じ舞台に参戦するアクアは、演技のために、自分のトラウマと向き合う決意をするのでした。

そしてルビーが、B小町でアイドルをする理由が語られることになります。

第7巻の見どころは、有馬かなの過去が語られるところです。

熱心な母親の影響で、かなは、子供の頃から芸能界で活躍していました。

しかし、母親の期待はどんどん重荷になり、父親にも逃げられ家庭崩壊してしまうのです。

そんな過去を持ち、因縁のあるあかねと堂々と舞台で演技対決をします。

また、アクアとルビーの過去にもついに焦点が当たります。

【推しの子】の8巻では、アクアが『仕事だけの恋人』として付き合っていたあかねに別れを切り出します。

その際あかねは、アクアが自分を何かに利用しようと考えていたことに気付いていたと明かしました。

その上でアクアへの想いを告げるシーンは、切なくもドキドキする必見のシーンです。

さらにその後の宮崎旅行では、ルビーがとうとうゴローの身に起きたことを知ってしまいます。

父親だと思われる人物が故人だと判明した結果、生きる目的を見失ったような状態となり、瞳から星が消えたアクアにかわって、今度はルビーが復讐を誓う場面は8巻の最大の見どころです。

ミュージックビデオの撮影で高千穂を訪れたルビーは、アイを殺した犯人の一人が生き残っているという事実を知り、復讐を自分でやることを決意します。

一方、アカネは映画やドラマなどの主演をつとめ、アクアはバラエティー番組やファッション誌などマルチに活躍するようになっていきました。

そんな順調な二人とは裏腹に、カナはアクアとアカネが付き合い始めたことにショックを受けるのでした。

9巻の見どころは、アクア達の件で落ち込んでしまったカナが、辛いけどアイドルとして笑顔を見せなければいけないと悩むシーンです。

お客さんたちに辛さを悟られないように一生懸命パフォーマンスするカナの健気さに、涙が出そうになります。

そして中盤、アクアがカナに対して好意を持っているような雰囲気を見せるので、いったいこの二人の関係はどうなってしまうのかとドキドキが止まらなくなること間違いなしです。

【推しの子】の10巻では、アイの命を奪った犯人だと思われる人物の名前が判明します。

以前あかねは気付いたのにアクアは見落としていた『抜け穴』とは、姫川の母親が姫川の父親以外の男性との間に子どもを作った可能性があるということです。

そう考えた時に浮かび上がったのが、かつて『劇団ララライ』のメンバーだったカミキヒカルでした。

10巻は、アクアとカミキの容姿がそっくりなことやカミキの年齢など衝撃的な事実が次々と明かされる、見どころ満載の巻となっています。

また、復讐はまだ終わっていなかったのだと悟ったアクアが、正式な恋人となったはずのあかねと今度こそ本当に別れると決め、それを告げるシーンも見逃せません。

ルビーはアイを殺した犯人への復讐を遂行するため芸能界でより一層活躍することを誓います。

一方、アクアは斎藤壱護と出会い彼との深い話し合いの場を設けます。

その会話がきっかけでアクアの気持ちに迷いが生まれます。

自分は本当に復讐をしてもいいのか、それが本当に正しいことなのかと葛藤するのです。

しかし、アイへの気持ちが高まり、復讐に対してより強い信念を燃やすのでした。

後日、有馬かなにスキャンダルが勃発します。

11巻は、キャラクターの心情が丁寧に描かれていくのでそこに注目です。

中でも如実に表現されているのがアクアとルビーの2人です。

アイへの深い愛情から復讐について色々と考えている姿がとても胸を打ちます。

しかし、アイを殺した犯人への気持ちが途絶えることなく、より強固な気持ちとして突き進む姿が印象的です。

スキャンダル関係など芸能界のしがらみをいろんな角度から捉えていくので、よりのめり込めること間違いありません。

星野アイのドキュメンタリー映画「15年の嘘」が製作されるにあたり、フリルとアカネが星野アイ役の候補として名前があがります。

その後しばらくして、監督はルビーも星野アイ役の候補に入れはじめ、三人で演技力を競い合うことになっていきます。

結局ルビーが星野アイ役に抜擢されるのですが、その後のルビーには様々な試練が降りかかってくるのでした。

フリルとアカネ、ルビーの思惑が12巻の見どころとなっています。

3人の気持ちがわかるからこそ、全員の味方をしたくなりますし、この業界の厳しさを突きつけられるような感覚になります。

ついに抜擢されたルビーが役作りをしていく中で、今まで逃げてきた自分自身と向き合っていく様子も注目ポイントです。

15年の嘘という映画のオーディションが開かれます。

それは生前活躍していたアイの半生を描くものでした。

ルビーはそのアイ役を勝ち取るためオーディションに参加し、見事合格しアイ役を勝ち取ることができます。

アイドル活動をしながら映画の仕事もこなすルビーは、アイの気持ちに自分を重ね合わせるうちに色々なことを思い悩むのでした。

13巻は、 ルビーの心情の部分に注目です。

15年の嘘のオーディションでアイ役を勝ち取りその役に成り切ろうと日々努力しているルビーの姿にとても胸を打たれます。

自分の母親であるアイが生前どんな気持ちでアイドル活動をしていたのかなど、役を通してルビーの気持ちに訴えかけてくる描写がとにかく面白いです。

アイの子供としてこの世に生を受けたアクアとルビー。

お互いの前世のことなど全く知り得なかった2人でしたが、あることをきっかけにお互いが生前病室で仲を深めたゴローとさりなであることを確認し合います。

前世から深い繋がりがあったとわかり、よりアイを殺した犯人に対しての復讐心を強めるのでした。

後日、15年の嘘の映画撮影が開始されます。

アイのアイドル時代を忠実に再現するためルビーは演技に没頭しカミキヒカルとの出会いのシーンを真剣な面持ちで撮影に臨むのでした。

14巻では、お互いの前世を思い出すシーンが一番の見どころです。

元々アイをきっかけに仲良くなった医師と患者同士だったのでやりとりを見てなんだか嬉しくなること間違いありません。

また、アイに成りきろうとするルビーの姿など、15年の嘘の撮影風景も必見です。

ドキュメンタリー映画「15年の嘘」がついに完成し、アクアとルビー、かなとあかね達は打ち上げをします。

その打ち上げではかながアクアに対する思いを伝えたりと、今までの関係性から一気に進展するようなイベントが起きます。

一方、アクアは復讐心にも苛まれながらもある決断をするのでした。

15巻の見どころは、アクアとかなのそれぞれの決意が伝わってくるシーンです。

二人の決意の内容はそれぞれ違うのですが、そこに至るまでの過程を見ているからこそ、感慨深い気持ちになれます。

そしてアクアの心の中がぐちゃぐちゃになっているのも見どころで、アクアがどんな決断をするのかドキドキしながら読み進めることができるでしょう。

アイを殺した犯人が神木光だとわかり、アクアは神木を手にかけ、ようやく復讐を成し遂げます。

その後、復讐を遂げて目標を失ったアクアはとてつもない自責の念に囚われるのでした。

一方、アクアは自ら死を選びこの世を去ってしまいます。

芸能界にもその事は衝撃的な事実として広まります。

その只中にいたルビーはアクアの気持ちを慮って芸能界に残り活動していくのでした。

16巻は、とうとう【推しの子】のラストが描かれます。

衝撃的な展開が多く、物語の結末に関しては、賛否両論あります。

ひどい結末だったのか、感動的な最期だったのか、意見の分かれる最終回は、【推しの子】最大の見どころです。