『紅さす小指に婚姻を』の全話あらすじと感想！無料で読む方法も紹介

道子は華族の家に生まれましたが、不遇な日々を送っていました。

父は借金を作って爵位を剥奪され、母は道子が溜め込んだ金を持って男と駆け落ちしてしまうのです。

そんな実家を見限り、道子は叔父に養子にして欲しいとお願いします。

養子にしてもらう条件として、我が家が有していた爵位より高い家に嫁ぎ、叔父に富と名声を渡すことを誓いました。

こうして道子は養子にしてもらい、夫探しの為に女学校へ通うことになります。

他の女性と同じ姿では、男の目を惹くことは出来ない。

そう考えた道子は派手な服装をしていた為、女学校では浮いた存在になっていました。

そんな折、伯爵家である葉山家のご子息が女学校を訪ねてきていることを知り、会いに行きます。

それらしい男性と知り合えたものの、列から外れた女性は不要だとバッサリ切り捨てられます。

ショックで道子が落ち込んでいると、先程とは違う男性が話しかけてきました。

事情を打ち明けると、なら私に嫁がないかと誘われます。

しかもこの男性こそ道子が求めていた葉山家のご子息だったと知り、驚愕するのでした。

1話～5話の見どころは、道子が葉山家に招待されるシーンです。

葉山家は伯爵家だけあり、伴侶となる道子の身元を調べつくしていました。

道子の家は元華族だったとはいえ、今は爵位を剥奪された没落貴族。

普通に考えれば、道子が葉山家に選ばれるはずありません。

しかし葉山家にはそんな道子でも選ぶしかない事情があったのです。

道子の身の上を理解しながらも、葉山家はなぜ道子を選んだのか。

そのあたりの事情が詳しく描かれており、非常に重要なシーンとなっています。

葉山家との約束を果たすために、道子は栄人と一晩を共にしようと試みましたが、うまくいきませんでした。

栄人は道子が家の者達に色々吹きこまれているであろうことを察しており、そんなことはしなくていいと諭します。

そのことを道子は譲に伝えましたが、意外にも怒られませんでした。

それどころか、面倒をみてやってもよいとまで言われ、道子は驚きます。

栄人が手を出さないのなら、もう自分を監視する必要はないだろうと判断し、道子は外に出て散歩を始めました。

すると、女学校時代の同級生に声をかけられ、思いがけない展開が訪れるのでした。

6話～10話の見どころは、道子が譲に失敗したと話すシーンです。

本来なら、譲から怒られるなり失望されるなりするところでした。

しかし、譲は道子を責めません。

それどころか、安心している感じでした。

というのも、譲が道子に好意を抱いているからです。

兄の妻となる女性だと理解はしているものの、兄と何もなかったと知って安心する場面が見どころとなっています。

叔父に支払う違約金を稼ぐ為、道子は商売に手を出します。

しかしこのまま商品を売っていても埒があきません。

そこで販売ルートを広げる為、道子は譲に社交場へ連れていって欲しいとお願いしました。

道子は社交場で女性達から嫌味を言われている女性に目を付け、声を掛けます。

意外にも女性は道子を気に入り、そこから販路を広げられるチャンスを得るのでした。

社交場で知り合った女性であるよし美と道子が会っていたところ、街中で栄人らしき人影を見かけます。

よし美の話によると、その人が出入りしていたのは活動家の人達がいるところとのことです。

場所が場所だけに、道子はその人物が本当に栄人なのか調べ始めるのでした。

11話～15話の見どころは、社交場で道子が女性に声を掛けるシーンです。

譲に社交場へ連れてきてもらったものの、ここは商売をする場所ではありません。

当然、普通に行動していてはチャンスが巡ってくることはないでしょう。

その点を理解していたとはいえ、ターゲットの選び方が秀逸でした。

道子が注目したのは、周囲から嫌味を言われている女性です。

普通はそういった女性を避けるものですが、道子は違いました。

女性達が嫌味を言っているのは、その女性に嫉妬しているから。

ならば影響力も高いと判断し、声を掛けたというわけです。

その狙いは見事的中して商機を得ることになるのですが、数ある女性の中から見事正解を選び抜いた道子の慧眼は必見です。

栄人は旧友と会っただけと言ってましたが、それに対して譲は強い不安を覚えていました。

忙しい中、何度も旧友に会いに行くことはそもそも不自然です。

本当に旧友と会っていただけとは思えません。

また、両親が知れば逆上、大きなトラブルとなることは間違いないでしょう。

そんな重要なことを自分の胸の内だけでしまって良いのかと苦悩します。

道子はそんな譲の胸中を察したのでしょう。

辛い時は支えるからと言って、譲を慰めるのでした。

16話の見どころは、譲が道子に抱きつくシーンです。

譲は栄人のことで心が弱っていましたけど、だからといって女性に抱きついたりする男性ではありません。

しかも、その女性は兄の妻となる女性なのですから。

しかし、譲は道子の言葉に甘えて抱きついてしまいました。

それだけ譲は道子に安らぎを感じたわけであり、好意を持っていたのです。

道子は兄の妻となる女性なのに、と葛藤しながら抱きついてしまうシーンが見どころとなっています。